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ジュニアアスリートの膝痛(オスグッドシュラッター病)自分で何ができるか?

どうも一叶ICHIKAメディカルトレーナー(理学療法士/アスレティックトレーナー)の林中と申します。

アスリートの方のためにカラダの治し方、育て方を指導しています。

<はじめに>

「成長期で膝の下の出っ張っているところが痛い。踏ん張ると痛い。練習を頑張ったら後から痛くなる。」

なんて事ありませんか?

この記事では多競技のジュニアアスリートの多くが悩む膝痛(オスグッド・シュラッター病)に関する知識や自己での対処方法、予防方法に関して説明していきます。

<なんで痛くなるの?休むしか方法はないの?>

成長期は骨の伸びと筋肉や腱の長さのアンバランスが生じる時期です。それに加え骨が柔らかく力学的に弱い状態にあります。運動することで、筋肉の付着部が引っ張られる形になり痛みが出やすい状態にあります。オスグッドで膝の下の骨が出っ張ってくる(骨端症)のはそのようなメカニズムです。

「じゃあ成長痛だから仕方ないよね」

でもよく考えてみて下さい。もし成長の不均衡や骨の柔らかさだけが理由で引き起こされているものならスポーツしている成長期のアスリート全員が痛くなるんじゃないかと思いませんか?

「なんで他の友達はなっていないのに自分だけなるの?なんで片方だけ痛くなるの?」

そう!そこがポイントです。

骨が柔らかく力学的に弱い部位にジャンプや切り返しストップ動作において体重以上の負荷が膝にかかります。

ですので成長は止められませんが、「反復運動による負担を減らす方法」を考えれば良いのです。

「成長期の間(男子12歳、女子11歳頃)はできるだけ弱い部位にに負担のかからないように、カラダづくりをしたりカラダの正しい動かし方を学ばないといけないのですね!」

その方法をまとめましたので参考にしてみて下さい。

<ステップ1太ももの筋肉や足首を柔らかくする>膝前面痛/オスグッドシュラッター病編

太ももの前の筋肉を柔らかくして膝(筋肉の付着部)にかかる負担を減らしましょう。

運動前後にしっかりとストレッチしておくことが症状を抑えるポイントになります。またお皿(膝蓋骨)が上に引き上がったまま固まってしまっていることも多いでのお皿を手で引き下げましょう。

股関節が動きにくくなっている状態で運動すると必然的に膝に負担がかかってしまうので、膝以外のストレッチも大事です。股関節の前外側(ポケットあたり)にある筋肉をほぐすと効果的です。

①膝曲げストレッチ 大腿直筋

膝に痛みが出ない範囲でストレッチ

②お皿(膝蓋骨)下げ

力を抜いてグーっと押し下げる

③大腿筋膜張筋のリリース

ここをほぐすと股関節の動きが改善させます

<ステップ2姿勢を治す>膝前面痛/オスグッドシュラッター病編

姿勢が崩れていると後方重心になり結果的に膝にかかる負担がかかり症状を悪化させる可能性があります。

姿勢を治すことで、構えが変わりカラダの使い方も変わり膝にかかる負担を減らすことができます。

この壁ペタスクワットができない人は姿勢が崩れていることが多いです。膝とつま先を壁につけたまま胸をから出来るだけ話さないように背中を反らし、お尻をプリッとさせるような感じで股関節を入れていきます。コマネチのところで挟む感覚で行うと股関節が曲がります。姿勢が悪いと後ろに倒れそうになるので一度チェックも兼ねてやってみましょう。

<ステップ3パワーポジションで股関節を使う>膝前面痛/オスグッドシュラッター病編

パワーポジションとは力の入りやすい構えやしゃがみ方のことを言います。

スポーツ動作の基本はパワーポジションから始まると言っても過言ではありません。とにかくパワーポジションができないと股関節が使えずに膝に負担がかかります。

パワーポジションがとれた正しいスクワット動作は障害の治療や予防にも効果的だと言われています。

オスグッドを治すために一番重要な事はパワーポジションを獲得することになります。

この時にただスクワットをするだけでなくフォームを意識して運動の中で悪いクセを治すことがポイントです。

とにかく股関節を中心に動かす意識

<カラダの使い方のポイント>

#踵、母趾球、小趾球の3点に乗る

#膝がつま先よりも出過ぎない

股関節からしゃがめている

膝ではなくお尻で支えている感覚がある

#背骨はまっすぐキレイに伸びている

<ステップ4パワーポジションを基本とした応用練習>

パワーポジションができるようになったら次は踏み込み、切り返し、ジャンプの動きを想定して股関節を使うトレーニングをしていきます。動きを治さなければ再発を繰り返すことになりますので、ここは重要です。

この時もパワーポジションのフォームを基本として下記のトレーニングをおこないましょう。お尻やモモ裏を使っている感じがあるかどうかが重要です。膝でブレーキをかけるような動きになると膝に負担がかかり痛みが出ます。痛みがある場合は炎症が落ち着いていないときかやり方が間違っているときです。

#スプリットスクワット、ランジ

つま先ー膝ー太ももが一直線になるように。お尻でドロップする。

#スクワットジャンプ

骨盤を前傾させてお尻の筋肉を効かせる

#片脚スクワット(片脚のパワーポジション)

THE11+より引用

<まとめ:問題と解決方法>膝前面痛/オスグッドシュラッター病編

  • 1、太ももの筋肉が硬くなって骨を引っ張っている→ストレッチをして筋肉を伸ばして膝にかかる負担を減らす
  • 2、姿勢が悪い→姿勢を治して膝にかかる負担を減らす
  • 3、悪いしゃがみ方をして膝に負担がかかり過ぎている→パワーポジションを練習する
  • 4、ランニング、切り返しやジャンプ動作がうまく出来ていない→パワーポジションを基本として股関節をうまく使う練習をする

このような流れで毎日繰り返しやっていただくことで、「成長期で膝の下の出っ張っているところが痛い。踏ん張ると痛い。練習を頑張ったら後から痛くなる」というような症状が和らいだり、改善するかもしれません。

※正確な診断には精密検査や医師によるアセスメントが必要です。(骨腫瘍、二分膝蓋骨、軟骨損傷などが存在する場合があるのでご注意してください)

林中 和也

林中 和也

「あなたの専属メディカルトレーナー」理学療法士/柔道整復師/日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー/米国認定コンディショニング&ストレングススペシャリスト

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