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ボート競技で腰が痛い。実は腰以外に原因があることもあります


「漕ぐたびに腰が痛い」「エルゴの練習をすると痛い」
ボート競技をしている選手からよく聞く言葉です。
腰痛というと、
・体幹が弱い
・腹筋が足りない
・姿勢が悪い
と言われることが多いですが、本当にそれだけでしょうか?
実際に私がこれまで見てきたボート選手の中には、腹筋も背筋も十分に強いのに腰痛で悩んでいる選手が少なくありませんでした。
ボート競技は腰に負担がかかるスポーツ

ボートは脚で押し、股関節を使い、体幹を介してオールに力を伝えます。
一見すると腕のスポーツに見えますが、実際は全身運動です。
特に繰り返される前屈姿勢や、強い力発揮の場面では腰椎に大きなストレスが加わります。
そもそも座って行う競技ですので、腰に負担がかかりやすく他の競技に比べて腰痛になるリスクは高いです。腰痛が原因で競技を断念する選手も多いと関係者から聞きます。
逆にいうなら腰痛への予防をしながら、競技力を高めていくことが長期的な観点で非常に重要になるのがボート競技です。
腰だけを治療しても良くならないケース:ボート競技編

腰痛があると、多くの選手は腰をマッサージしたりストレッチしたりします。
もちろんそれで楽になることもあります。
しかし、
「その時は良いけど翌日には戻る」
そんな経験はありませんか?
実際には腰そのものより、
・股関節が硬い
・胸椎が動かない
・骨盤がうまく使えていない
こうした問題が隠れていることもあります。今回は体幹トレーニングは割愛します。
私がまず確認すること:ボート競技編
ボート選手の腰痛で来られた場合、まず腰だけを見ることはありません。
・股関節は十分動くか
・骨盤をコントロールできるか
・胸郭の可動性は出ているか
・スクワットや前屈でどんな代償が出るか
などを確認します。
腰は結果として痛くなっているだけで、原因が別の場所にあることが少なくないからです。
「鍛える前に整える」
学生選手ほど真面目です。
痛くても練習し、体幹トレーニングも頑張ります。
しかし身体がうまく使えていない状態で鍛えても、痛みが強くなることがあります。
まずは動きを整える。
その上で必要なトレーニングを行う。
これが遠回りに見えて近道になることも多いです。
STEP1 股関節の動き

股関節がスムーズに曲げられるかチェックをしましょう
もし股関節の前で詰まる感じがするなどがあれば注意です。ボートを漕ぐ際に股関節が十分に曲がらずその分を腰で代償します。また股関節の動きに左右差があれば土台である骨盤がねじれた状態で漕ぐことになってしまいますのでしっかりとケアしましょう。


詰まりのある方をカエル足で股関節の付け根をほぐす
座っている時間が長いので股関節の前の筋肉も短くなりがちです。リセットする意味ではこちらのストレッチはしておいた方が良いと考えます。

腸腰筋ストレッチ 前後に脚を開いて股関節の前を伸ばす
骨盤が立てられない方(腰だけが丸まりやすい方)は腰に負担がかかりやすいです。もしかしたら腿裏の筋肉が固まってしまっている可能性もあります。


脚を前後に開きお尻を斜め後ろに引き上げるように腿裏にストレッチをかける
STEP2 骨盤の位置

骨盤の傾きや捻れがあるとその上に位置する腰椎も捻れます。腰は捻れの力に非常に弱いですので、骨盤の左右のバランスは常に維持しなければなりません。

左右に揺すり骨盤の骨が床に当たっているを探して、その方向に何度かゆらゆら揺らす(左右差がなくなるまで)


ウェーブリングを臀部に当てて、ゆらゆら揺らす
STEP3 胸椎の動き

背骨の中でも腰にある腰椎で動かしすぎるとボート競技では腰痛になりやすいです。ですので胸椎と呼ばれる背中周りが十分に丸められる可動域があるかが重要です。胸や背中を自由にすることで腰への負担を減らすことができます。


キャットバック 四つ這いで床を押して肩甲骨を開き、背中を丸める(この時に腰はできるだけ丸めないように背中を天井に向かって吊り上げるイメージ)
STEP4 骨盤のコントロール

柔軟性や筋力があるのに良いポジションが取れない場合は骨盤をコントロールする機能が落ち込んでいるかもしれません。骨盤を良い位置でコントロールできるようになると腰の負担を大幅に減らすことができます。

まずは坐骨支持(左右のお尻の骨で支える感覚を習慣化する)

プランク(膝支持)の姿勢で骨盤を前傾、後傾に動かす。※腰は反ったり丸まったりしないように
「しっぽ」を動かすイメージがいいかと思います。腰支点ではなく股関節支点で動かす神経系の訓練になります。
この時に腰に違和感を感じてはいけません。自分の身体の内側で小さく動かすイメージです。外から見てもほぼ動いていないくらいで十分です
ボート競技で腰痛に悩んでいる方へ
もし、
・漕ぐと腰が痛い、捻れて漕いでいる感じがする
・治療してもすぐ戻る
・体幹トレーニングをしても変わらない
そんな状態が続いているのであれば、一度身体全体の動きを見直してみる価値があるかもしれません。
腰だけでなく、股関節や胸郭、全身の連動を含めてチェックすること動きを整えることで改善の糸口が見つかることがあります。
※太ももの裏やふくらはぎ、スネ、足に痺れがある。足の指の力が入りにくい。前屈が全くできない。などの症状がある場合は腰椎椎間板ヘルニアになっている可能性がありますので、そのような場合は専門の医療機関を受診して医師の指示を仰いでください。
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